ポーランド「科学・教育デイズ」

2025年4月22日から26日まで、大阪で開催された万博のポーランドパビリオンでは、「ポーランド科学・教育デイズ」が開催されました。
2025年4月22日から26日まで、大阪で開催された万博のポーランドパビリオンでは、「ポーランド科学・教育デイズ」が開催されました。このイベントでは、ポーランドの大学や研究機関が科学の成果や現代的な教育アプローチを紹介し、持続可能な開発や未来の技術、女性の科学分野での活躍など、現代社会の重要な課題への取り組みを示しました。
参加機関と開会式
ワルシャワ農業大学(SGGW)、AGH科学技術大学、フレデリック・ショパン音楽大学、国家森林局、気候・環境省、科学・高等教育省、ポーランド国立学術交流機構(NAWA)などが参加しました。開会式では、科学・高等教育省の副大臣が出席し、イベントの幕開けを飾りました。また、象徴的なイベントとして、大阪音楽大学のキャンパスでポーランドの木々を植樹する式典が行われ、大学の学長や万博の関係者、公共機関の代表者が参加しました。
技術、科学、ポーランドの発明
ポーランドパビリオンの前では、AGHとSGGWの専門家の指導のもと、訪問者が自らソーラーボートや無人車両を組み立てるワークショップが毎日開催され、多くの関心を集めました。ASTOR社は、精密な動作を行い、子供たちに遊びと学びを提供するロボット「ASTORINO」を展示しました。
また、ポーランドの発明家に関するドキュメンタリー映画が繰り返し上映され、ポーランド人の世界的な技術発展への貢献が紹介されました。
NAWAの日とポーランド科学の国際化
NAWAの日には、高等教育の国際化に関する会議が開催され、ポーランド、日本、ヨーロッパの大学関係者や科学・高等教育省の代表者が参加しました。公式セッションの後には、ポーランドでの留学を促進するセミナーが行われ、参加者にはポーランド料理の昼食が提供されました。
また、東京外国語大学のポーランド語専攻の学生による言語ゲームやアクティビティが行われ、子供から大人までポーランド語学習に興味を持つ人々に楽しんでいただきました。
ポーランド宇宙の日
週の中で最も注目を集めたイベントの一つが、ポーランド宇宙の日でした。この日は、ポーランドの宇宙飛行士スワヴォシュ・ウズナンスキ=ヴィシニェフスキ博士の後援のもと、科学と芸術が融合したイベントが開催されました。
ヤギェウォ大学とNew Space財団の協力により、「ニコラウス・コペルニクスからスワヴォシュ・ウズナンスキへ」というテーマで教育ワークショップが行われ、参加者は折り紙でアストロラーベを作成したり、コペルニクスの医師や経済学者としての側面を学んだり、ルネサンス時代の硬貨を模したコインを鋳造したりしました。また、コペルニクスを主人公としたマンガの描画ワークショップや、彼の業績にインスパイアされた光と音のショー、ポーランドの宇宙研究への貢献を紹介するマルチメディアプレゼンテーションも行われました。
夜には、著名なジャズピアニスト、レシェック・モジュジェルによるコンサートが開催され、ポーランド科学アカデミーの音響技術者と共同で開発した実験的な楽器「デカフォニックピアノ」が披露されました。
ポーランド女性科学者の日 – マリア・スクウォドフスカ=キュリーの足跡をたどって
週の締めくくりとして、4月26日に「ポーランド女性科学者の日」が開催され、世界の科学の発展における女性の貢献を称え、現代の女性科学者の課題と成功に焦点を当てました。このイベントは、ポーランド科学アカデミーと国民教育省の協力で開催されました。
ポーランド、日本、イスラエル、フランスの研究者が参加する国際会議が行われ、以下の2つのパネルディスカッションが実施されました:
- 「科学界の女性リーダー」 – 科学と管理の最高レベルでの女性の役割に関する議論
- 「科学のアイコン」 – マリア・スクウォドフスカ=キュリーとアルベルト・アインシュタインの書簡に基づく考察
ポーランドパビリオンでは、英語と日本語で「A Continuous Thread: Maria Skłodowska-Curie 1867–1934」というデジタル展示が行われ、ノーベル賞受賞者の博士論文や放射性物質のサンプルなどの貴重な資料が紹介されました。
教育的かつ芸術的な要素も盛り込まれ、参加者はラジウムとポロニウムのモデルを作成し、デザイナーのナタリア・シリゾフスカによる時代衣装の再現を鑑賞しました。また、女性パビリオンでは、「SZYFRODZIEWCZYNY」プロジェクトが紹介され、世界中の20人の女性スパイの物語が展示され、ポーランド女性の役割やエニグマの現象が強調されました。
この日は、姫路のパートナー校であるワルシャワのナザレタネク高校の生徒たちの訪問や、ポーランドと日本のWorldSkills受賞者による技能披露で締めくくられました。