ヘウモンスキ「女の夏」の壁画が大阪に登場― 2025年大阪・関西万博でのアーティストによる異文化対話

2025年9月4日、大阪の中心部でユゼフ・ヘウモンスキの絵画「女の夏(原題:Babie lato)」にインスピレーションを受けた壁画が公開されました。式典は、2025年大阪・関西万博における「ポーランド文化ウィーク」の一環として開催されました。
大阪のこの壁画の制作者は日本の若手アーティスト、Hitch。世界中のアーティストを招いて建物の壁にオリジナル作品を制作させるコレクティブWALLSHAREと協力し作品をてがけました。Hitchの芸術的なビジョンは、ポーランドの風景画と叙情的写実主義の巨匠、ユゼフ・ヘウモンスキの名画「女の夏」に触発されました。
9月4日午前9時、大阪・西九条駅近くで行われたこのポーランドと日本の壁画の除幕式が、2025年大阪・関西万博ポーランドパビリオンにおけるポーランド文化ウィークの幕開けとなりました。
2025年大阪・関西万博ポーランド政府副代表のマルタ・ジェリンスカは、次のように語ります。「ポーランド絵画の日を、新しい美しい壁画の前でスタートしました。この作品は、ヨゼフ・ヘウモンスキの『女の夏』を日本人アーティストが現代的に再解釈したものです。大阪の人々、そしてポーランドパビリオンを訪れる皆さまが、この作品に魅了され、ポーランドとの旅を続けたいと思っていただけると確信しています」
また、Hitchは除幕式にて次のように話しました。「私は、この壁画が過去と現在、風景と都市の間に広がる絵画的かつ詩的な空間として機能してほしいと願っています。私の作品が大阪の人々にポーランド文化への関心を高めるきっかけとなれば、とても嬉しいです。」
Hitchは現在、大阪に住みながら制作活動を行っています。幼少期からストリートアートに魅了され、2007年にキャンバスや壁に絵を描き始めました。人物、動物、植物をリアルに描写する点が特徴で、創作の中心テーマに「多様性」を掲げています。
「女の夏」の壁画は、大阪市此花区西九条1丁目22-12で見られます。



大阪とビャウィストク:芸術的対話の広がり
2025年9月4日に大阪で公開されたHitchの壁画は、ポーランドと日本のストリートアーティストによる芸術的対話の新たな章を開きました。
2024年8月には、大阪でポーランド人アーティスト、アレクサンドラ・チュジャクによる壁画がWALLSHAREの支援で制作されました。(所在地:大阪市此花区旭2丁目18-8)この作品の中心的テーマは、2025年大阪・関西万博ポーランドパビリオンのスローガンである「未来を切り拓く遺産」です。壁画には、子供用の風車を手にした少女が描かれています。少女の息が五線譜を形作り、その息が風車を回すことで、音楽がポーランド文化にとっていかに重要かを表現しています。風車は上空から見るとポーランドパビリオンの形を想起させます。このプロジェクトは、子ども時代の楽しい思い出を呼び起こし、同時にポーランドパビリオンで訪問者が体験する出来事を示唆しています。
また同じく2024年夏には、日本のアーティスト・BAKIBAKIが、ビャウィストク県庁舎(Cardinal Stefan Wyszynski st. 1)に壁画を制作しました。BAKIBAKIの作品の構図は、上へと伸びる2本の抽象的な植物で、ポーランドと日本の相互的な発展と協力を象徴しています。模様は日本の伝統的なモチーフとポーランドパビリオンのロゴから採用されました。除幕式でBAKIBAKIは、この作品が市民に愛され、街の風景として日本の龍が空へ舞い上がる吉兆の象徴として定着することを望むと語りました。
友情の証、そして未来へのインビテーション
今回大阪で公開された「女の夏」に着想を得た新しい壁画は、WALLSHAREとHitchがユゼフ・ヘウモンスキの創作活動に捧げた芸術的オマージュです。同時に、大阪市民がポーランド美術に触れ、ポーランドをより深く知るためのインビテーションでもあります。昨年ビャウィストクと大阪で公開された壁画に続き、この作品もポーランドと日本を結ぶ象徴的な異文化間の架け橋です。
ポーランドパビリオン「ポーランド文化ウィーク」の一環として制作されたこのプロジェクトの制作者は、大阪の中心に誕生した新たな壁画が誰もが楽しめる存在となり、両国の友情と発展する協力関係の証となることを願っています。