クヤヴィ=ポモージェ地方―伝統の味と宇宙イノベーションが大阪万博に登場

2025年9月11日から17日まで、大阪・関西万博のポーランドパビリオンでは、クヤヴィ・ポモージェ地方がその多彩な魅力を披露しています。文化遺産、モダンなポテンシャル、そして観光資源の豊かさを余すところなく紹介する特別な1週間です。音楽や工芸の実演だけでなく、最先端のイノベーション、科学、ビジネスまで盛りだくさんのプログラムが展開されます。
クヤヴィ=ポモージェ・ウィークのプログラムの中心となるのは、ユネスコ世界遺産にも登録されているニコラウス・コペルニクスの故郷・トルンです。コペルニクスのほか、チェホチネクやイノヴロツワフといった伝統ある温泉地も紹介されます。
「クヤヴィ=ポモージェ地方には二つの顔があります。豊かな文化遺産に根ざした歴史的な側面と、未来へ挑戦する先端的な側面です。大阪万博ではその両方をひとつの物語として伝えたいです。この地域の文化遺産が、現代性や技術的な野心と両立していることを示したいと考えています。2025年大阪・関西万博は、日本との新たな協力の架け橋を築き、来場者や投資家を私たちの地域へ招くための大きなチャンスなのです。」と、ピョートル・ツァウベツキ県知事は語ります。
ポーランドパビリオン来館者を驚かせるクヤヴィ=ポモージェ地方
クヤヴィ=ポモージェ・ウィーク最大の見どころのひとつが、マルチメディアインスタレーション「チョフラルスキの鎧」。地域の伝統工芸や装飾と、未来的な光のネットワークやSF的美学を融合させたインタラクティブな衣装作品です。これは、過去と未来がひとつの芸術的なコスチュームの中で出会うというコンセプトの作品であり、シリコン単結晶の製造方法を考案し、コンピューター時代の扉を開いたポーランドの学者、ヤン・チョフラルスキの業績をオマージュに創作されています。クヤヴィ=ポモージェには最近、この偉大な学者の名を冠した最先端の科学技術センターが設立されました。インスタレーションの物語は、宮崎駿監督の作品を思わせます。主人公の少女は、チョフラルスキの孫娘として描かれ、屋根裏部屋に登って天才的な祖父の記録や驚くべき鎧のスケッチを発見します。そしてそれを完成させると、チョフラルスキの鎧は少女をスーパーヒロインへと変身させるのです。
また、アーティストのトマシュ・ヴワジラクとインスティテュートB61によるゲーム展示「コペルニクスの定理」では、80〜90年代風のネオンサインが光るレトロゲーム機を通じて宇宙の旅を体験でき、来館者の注目を集めました。
このゲーム展示は同時に、ニコラウス・コペルニクスへの敬意も表しています。1473年にトルンの街で生まれ、「太陽を止め、地球を動かした」この天文学者は、生涯を通じて故郷と深い絆を保ち続け、クヤヴィ=ポモージェの歴史における重要な人物の一人であり続けています。
大阪万博では天文学ワークショップも開催されました。ワークショップの参加者は、コペルニクスの弟子になった気分で、太陽観測や銀河の秘密の探究、宇宙爆発のストーリーなどを体験しました。



ピエルニク作りワークショップ、調理デモンストレーション、コンサート
トルンはポーランドのピエルニク(ジンジャーブレッド)の中心地であり、この町は何世紀にもわたりこの焼き菓子で名を馳せてきました。交易路上の便利な立地であることから蜂蜜や香辛料が豊富に手に入ったこと、そして何世紀にもわたる職人の伝統から、トルンではピエルニク作りがさかんになりました。ポーランドパビリオンの前ではピエルニクのデコレーション・ワークショップと、有名なポーランド人シェフ、アルトゥル・モロズ氏によるライブキッチン催されました。これにより、大阪の皆さんにはクヤヴィ=ポモージェ地方からの本当に特別な味、すなわち伝統と挑戦を融合させた味を体験する機会をご提供することになります。このライブキッチンは、9月15日にポーランドパビリオンで開催されるクヤヴィ=ポモージェ・ウィーク式典という特別な日に合わせて行われます。
また、ポーランドパビリオンの前では、「ヴウォツワヴェクの水差し」の着ぐるみが非常に頻繁に姿を見せ来場者らと交流をしています。この着ぐるみは、この地域およびポーランド全体で知られる陶器生産の歴史的中心地を象徴しています。
クヤヴィ・ポモージェ・ウィークではさらに、興味深い音楽イベントも実施されます。ポーランドのシンガソングライター、マリウシュ・ルボムスキが万博での文化プログラムに抒情性と憂愁の響きを加えます。スティーブ・ナスとニナ・ミショルは「プロジェクト・ピアノ」として、電子音楽の世界へと日本の慣習を誘います。一方、DJファンクトルは聴衆を共演と音の探求へと招き、聴衆は自分自身の8ビット交響曲を創り上げることができます。
クヤヴィ=ポモージェ地方による、投資家・研究者向けイベント
クヤヴィ=ポモージェ・ウィークのプログラムは、ポーランドパビリオンを訪れるすべての方が自分に合ったものを見つけられるよう準備されています。一般向けのコンサートやワークショップから、料理のテイスティング、さらには革新的なビジネス・科学的解決策のプレゼンテーションまで、その内容は多岐にわたります。
クヤヴィ=ポモージェは学術および革新の重要な中心地です。この地域の1週間にわたるプログラムでは、環境保護、グリーンエネルギー、新技術の発展やデジタル化といった現代の課題に焦点を当てた会議やセミナーも予定されています。地域の大学、研究所、IT企業の代表者が自らの成果を紹介し、日本のパートナーに協業の提案を行います。
クヤヴィ=ポモージェ・ウィークはまた、重要な経済プロモーションのフォーラムとも位置付けられ、ポーランドと日本の企業家が参加する会議やB2Bミーティングが開催されます。便利な立地や発展したインフラ網はもちろんのこと、グリーンテクノロジー、IT産業、化学工業、エネルギー、物流といった分野での潜在能力をこれらの機会で提示します。その目的は、潜在的な投資家の関心を引き、クヤヴィ=ポモージェ地方が国際ビジネスにとって魅力的な場所であることを知ってもらうことです。






Fot.: A. Stykowski