ウッチ発のデザインがExpo 2025で注目の的に──ポーランドパビリオンの特別な制服

2025年大阪・関西万博のポーランドパビリオンでは、特別にデザインされたユニフォームを着用したスタッフが来館者を迎えています。このユニフォームは、ポーランドと日本の文化や服飾デザインからインスピレーションを受けて制作されたもので、デザインを手がけたのはウッチ美術アカデミーのカロリナ・アウグストフスカ氏です。
ユニフォームデザインは、ウッチ美術アカデミーの学生を対象に実施されたコンペティションで選出され、応募数は45作品にのぼりました。最優秀賞に選ばれたのは、ウッチ美術アカデミー服飾学科5年生のカロリナ・アウグストフスカ氏の作品でした。
応募要項で定められた通り、ポーランドと日本の伝統に着想を得た独自性のあるデザインであると同時に、実用性があることが求められました。最終的に採用された制服はその両方を兼ね備えたもので、男女別にデイリー・フォーマルの2タイプと、各種アクセサリーが製作されました。
制服の製作を担当したNEW MEN GROUPのオペレーションディレクター、アンナ・クリサ氏は次のように語っています。
「このプロジェクトは非常に広範囲にわたっています。デザイナーの構想を反映しながらも、日々の着用にも耐えうる素材選びを行うことが我々に課されたミッションでした。女性用にはロングパンツとスカートに加え、2種類のブラウスを用意しました。男性用には、トレンドを意識したワイドパンツ2種、そしてスタンダードなジャケットに加えてショート丈のジャケットやフードが取り外せる軽量のレインコートもラインナップされています」
コンペティションで最優秀賞に輝いたカロリナ・アウグストフスカ氏によると、この制服のデザインにはボレスワヴィエツ陶器のモチーフが取り入れらているほか、ユゼフ・ヘウモンスキの絵画『Babie Lato(和訳:女の夏)』もインスピレーションの源となったそうです。さらに、日本の伝統衣装である着物の要素も取り入れられています。若手デザイナーとして、アウグストフスカ氏はデザイン制作のための調査の過程で若者にも注目し、日本のモダンファッションやそのポーランドとの共通点を探りました。
「ポーランドと日本の間には、勤勉さ、粘り強さ、細部へのこだわりといった多くの共通点があると思います。品質や美意識を重視する姿勢も、日本とポーランドの間で通じ合う価値観の一つだと感じています」とアウグストフスカ氏は語ります。
ファッション都市としてのウッチは、長い繊維産業の伝統と、数多くの若手デザイナーを輩出する教育機関を有し、再びその存在感を発揮しました。実際、前回の2020年ドバイ万博でも、ポーランドパビリオンスタッフの制服はウッチのデザイナー(ウッチ工科大学の学生)によってデザインされました。
「ウッチでは、日本の伝統や現代アートに関する文化イベントも多く開催されています。今回、この地の魅力を世界に発信したいと考え、ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ美術アカデミー(ウッチ美術アカデミー)と協力することにしました。」と、2025年大阪・関西万博ポーランドパビリオン副代表のマルタ・ジェリンスカ氏は語ります。
また、ポーランドのアパレル・テキスタイル市場は中東欧地域で最も魅力的な市場の一つとされています。PMR Market Expertsの調査データによれば、2024年の市場規模は下着やアクセサリーを含めて160億ドルを超えました。
ポーランドパビリオンのスタッフは、ポーランド国内の大学に在籍し、日本語を含む複数の言語に堪能な学生たちで構成されています。彼らは半年間のインターンシップとして、日々の運営を支える大切な役割を担っています。
制服に関する詳細については、ポーランドパビリオンのYouTubeチャンネルにて紹介動画をご覧いただけます。







