2025年大阪・関西万博における教育機関との連携とポーランドの教育分野のプロモーション

「いのち輝く未来社会のデザイン」という2025年大阪・関西万博のテーマは、より良い未来の構築におけるイノベーションと国際協力の重要性を強調しています。ポーランドから13の高等教育機関が大阪・関西万博に参加しており、ポーランド科学アカデミーとともに、ポーランドの科学的・教育的成果を日本で紹介しています
2025年大阪・関西万博におけるこの取り組みは、ポーランド学術交流庁(NAWA)が中心となり、ポーランド投資・貿易庁、ポーランド共和国科学・高等教育省、ポーランド共和国教育省と連携して企画・運営しています。特別プログラム「Kierunek EXPO(万博に向かって)」が創設され、国際協力の促進、革新的プロジェクトの発表、教育的活動を通じてポーランドの高等教育の国際的地位が強化されることを目指しています。
22件の応募の中から、総額約500万ズウォティ(約1億8千万円)、15件ものプロジェクトが採択されました。ポーランド国内大学を代表して、以下の大学が参加しています。:ヤギェウォ大学、コペルニクス大学(トルン)、フリデリク・ショパン音楽大学(ワルシャワ)、ゲッペルト芸術アカデミー(ヴロツワフ)、グダニスク医科大学、シロンスク大学、ポズナン工科大学、ワルシャワ工科大学、グダニスク大学、ワルシャワ大学、AGH大学(クラクフ)、ヴロツワフ工科大学、SGGW大学
また、ポーランド科学アカデミーによるプロジェクトも展示されています
2025年大阪・関西万博ポーランド「科学・教育デイズ」における成果発表
ポーランドの大学や研究機関、教育機関は、ポーランド「科学・教育デイズ」において、ロボティクス、クリーンエネルギー技術、デジタルヘルスといった分野の成果を紹介しました。教育への革新的アプローチ、持続可能な開発や未来技術、女性の科学分野での活躍といった、現代社会の課題へのポーランドの視点を知っていただく機会となりました。
さらに4月23日には、ポーランド「NAWAデー」として、SGGW大学・ワルシャワ大学・AGH大学が、芝浦工業大学との20年にわたる協力関係など、日本との共同研究プロジェクトを紹介しました。
また、NAWAがワルシャワ大学東洋学部やワルシャワ大学国際政治学部と協力して開催したセミナーには、日本の大学、シンクタンク、外交関係者など20以上の機関が参加しました。
万博に参加した大学は、工学分野にとどまらず、医療・社会科学など幅広い分野にわたる成果を発表しました。また、芸術系大学はポーランド文化を象徴するフリデリク・ショパンやその作品に関連した発表を行いました。




デカフォニックピアノと「コード・ガールズ(SZYFRODZIEWCZYNY)」プロジェクト
ポーランド「科学・教育デイズ」の特別イベントとして、ジャズピアニスト、レシェク・モジジェルによるコンサートが東大阪市文化創造館で開催されました。モジジェルはコンサートで2台のピアノを演奏しましたが、そのうち1台はポーランド科学アカデミーの研究者が、モジジェルのアイデアをもとに開発した世界唯一のデカフォニックピアノ(10音階ピアノ)でした。科学・芸術・感情が融合した、まさに万博ならではのコンサート体験となりました。
4月25日にはポーランド「女性科学者の日」も開催され、マリア・スクウォドフスカ=キュリーの業績を紹介するバイリンガルデジタル展示『A Continuous Thread: Maria Skłodowska-Curie 1867-1934』が公開されたほか、ポーランド、日本、イスラエル、フランスの研究者による「科学界の女性リーダー」や「キュリー夫人とアインシュタインの往復書簡」といったタイトルのパネルディスカッションが実施されました。
万博会場のウーマンズパビリオンでは、ポーランド共和国教育省による「コード・ガールズ(SZYFRODZIEWCZYNY)」プロジェクトも紹介され、世界各国で諜報活動に関わった女性たちのストーリーが語られました。
2025年大阪・関西万博におけるポーランド人学生と日本の大学の連携
2025年大阪・関西万博のポーランドパビリオンでは、ワルシャワ大学、ヤギェウォ大学、SWPS大学、グダニスク大学、コペルニクス大学(トルン)、アダム・ミツキェヴィチ大学(ポズナン)、ポーランド日本情報工科大学の7校から計48名の学生がインターンシップ生として活動しています。彼らはポーランドパビリオンでの就労経験を通じて、日本と世界に対しポーランドの科学の魅力を発信する役割を担っており、言語スキル、多文化環境での経験、研究アイデアの獲得など、多くの成長の機会を得ています。
また、研究教育関係の各種イベントには、日本側から東京大学、早稲田大学、大阪大学、立命館アジア太平洋大学など20校の有力大学と、有名シンクタンクである国際日本文化研究センター(日文研)が参加。ポーランド側からは各大学の学長や国際協力担当が出席しました。また、ポーランド共和国教育大臣バルバラ・ノヴァツカ氏と、科学・高等教育副大臣マリア・ムルフチンスカ氏がポーランド「科学・教育デイズ」期間中に日本を公式訪問しました。
2025年大阪・関西万博での学術分野におけるポーランドのプロモーションは、短期的な成果を挙げただけにとどまらず、中長期的にも価値ある効果をもたらしています。各大学にとっては、実践的な新技術のテスト、国際的ネットワークの構築、評価の向上といった成果があり、ポーランドと日本の教育・産業界のさらなる連携強化にもつながっています。


