ポーランド・ジャズのスターが2025年大阪・関西万博に登場

日本では、ポーランドジャズの古典的名演奏のみでなく、現代のアーティストたちにも大きな関心が寄せられています。日本の聴衆の音に対する繊細な感性と、中東欧文化への深い興味のおかげで、ポーランドのミュージシャンは忠実なファンとクリエイティブなパートナーを見出しています。こうした人気の背景には、ポーランド人アーティストの高い演奏技術、深い表現力、そして日本人聴衆の新しい音楽に対する開かれた姿勢があります。日本のジャズファンは、特にポーランドのジャズシーンの叙情性とアメリカや北欧とは異なる独自のサウンドを高く評価しています。

1960年代からは、クシシュトフ・コメダの作品、特にロマン・ポランスキー監督の映画音楽が日本でも人気を集めました。近年では、マルチン・ヴァシレフスキ・トリオが定期的に来日公演を行い、高い人気を博しています。その他にも、ピョートル・オジェホフスキ（ピアノ）、クバ・ヴィエンツェク（サックス）、アダム・ピエロンチク（サックス）、アンナ・マリア・ヨペック（ボーカル）、ピョートル・ダマシェヴィチ（トランペット）とアレクサンドラ・クリンスカ（バイオリン）のデュオなどが、日本のジャズフェスティバルやクラブで成功を収めてきました。さらに、ギタリスト兼コントラバス奏者のヴォイテク・マゾレフスキは、日本文化への長年の情熱を背景に、日本・ポーランド混成バンドの「Tokyo Spirit Band」を結成しています。

2025年大阪・関西万博でのレシェック・モジジェルによる特別コンサート

日本でも特に高い人気を誇る現代ポーランド・ジャズ界の代表的ピアニスト、レシェック・モジジェルは、ジャズとクラシック音楽を融合させた独自のスタイルで知られています。彼と日本との関係は長く、これまでにも多くのコンサートを日本で成功させてきました。2025年4月24日にポーランドパビリオン公式イベントとして東大阪文化創造館で開催された特別コンサートは、ポーランド「宇宙の日」（4月22日～26日に開催されたポーランド「科学・教育デイズ」中の企画）の一環として実施されました。この公演では、日本ではこれまで聴かれたことのない音が響きました。

特に注目を集めたのが、モジジェル氏のアイディアとリクエストに応える形でポーランドの研究者が開発した、世界初の「デカフォニック・ピアノ（10音階ピアノ）」の演奏です。このピアノは、通常の1オクターブ（12音）ではなく10音で構成されており、十進法を用いる現代科学の象徴として設計されました。コンサートでは2台のピアノを並べ、同時に演奏するという前例のないスタイルが取られ、観客の大きな関心と喝采を集めました。

大阪・関西万博に登場するポーランド・ジャズの新世代

2025年5月23日〜24日に開催された「西ポモージェ・デイズ」では、サクソフォン奏者でシュチェチン・ジャズ・フェスティバル芸術監督を務めるシルヴェステル・オストロフスキが出演しました。彼の演奏には、日本人ジャズピアニストのクリヤ・マコト-、アメリカ人ゴスペルおよびブルースシンガーのドリー・リン・ライネス率いるバンド、そしてギタリストのヤクブ・ミゼラツキといった優れたミュージシャンらが共演しました。

さらに秋には、9月7日〜9日にかけて、大阪市内のジャズクラブや2025年大阪・関西万博のポーランドパビリオンにて、若手ポーランド人ジャズアーティストによる演奏が予定されています。本イベントは、ポーランド・ジャズの新世代が登場し、このジャンルの伝統に新しい息吹を吹き込む絶好の機会となるでしょう。演奏は、ポーランドパビリオン内のコンサートホールや格式あるジャズクラブにて行われ、多くの観客に届けられます。

世界的に高い評価を受けているポーランド・ジャズのスターたち。卓越した演奏技術のみならず、感情豊かで唯一無二のコンサート体験を聴衆に提供してくれます。2025年大阪・関西万博ポーランドパビリオンでは、日本の音楽ファンを魅了する、さらなるエキサイティングなアートイベントが続々と開催される予定です。

Fot. A. Stykowski / PAIH