2025年大阪・関西万博におけるポーランド: EUと日本、医療の未来のために共に

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2025年大阪・関西万博において、6月26日に「命を救うために団結を」と題した国際カンファレンスが開催されました。このイベントは、ポーランドのEU理事会議長国としての活動の一環U理事会議長国を務める一環として開催され、大阪万博ポーランドパビリオンにおける重要なプログラムのひとつとなりました。EU加盟国、日本、その他地域からの代表者が参加し、国際色豊かな会議となりました。

健康と連帯を掲げるポーランドのEU議長国任期

本会議には、医療技術分野の欧州における主要企業、科学研究機関、そして医療分野の革新的ソリューションに関心を寄せる日本のパートナーが参加しました。大陸をまたいだ世界各国からの参加は、「健康」と「医療イノベーション」が世界共通の重要課題であることを示しました。

駐日ポーランド共和国大使パヴェウ・ミレフスキ氏、駐日欧州連合(EU)大使ジャン=エリック・パケ氏が出席したほか、メインスピーカーとしてアイルランド産業・観光・雇用大臣ピーター・バーク氏を迎えました。さらに、日・EUの協力において重要な役割を担う行政や機関の代表者も出席しました。また、ポーランド保健省からもマレック・コス次官とウルシュラ・デムコフ次官が出席しました。

会議の前半では、EUと日本の医療分野における協力事例が紹介されました。

RIKEN AIP研究員の人工知能研究者トマシュ・ルトコフスキ博士は、日本での自身の研究の経験や欧州のパートナーと進めるプロジェクトについて紹介。

リガ工科大学生体材料工学研究所自然科学・技術学部のアリタ・ドゥブニカ助教授は、バルト海バイオマテリアルセンターとの研究協力の可能性を紹介しました。

続いて登壇したのは、東京大学定量生命科学研究所の白髭克彦教授でした。クロマチンサイエンスにおける精密医療応用を目的とした「UTokyo-KI LINK」プログラムを紹介しました。

これらの事例紹介の後には、EU諸国の医療業界企業によるピッチセッションが行われました。さらに、パネルディスカッションでは、医療機器や創薬研究における新技術が議論されました。

パネルディスカッションでは、「人々の健康を改善するために、どのように協力し、どのように競争するか?」というテーマのもと、以下の登壇者が議論に参加しました:

ダニーヤ・ロチャ氏(リガ工科大学)、アルバロ・リオス・ポベダ氏(KAWATEK社)、アルトゥル・ザチンスキ氏(ポーランド内閣府 首相官房人道支援・医療支援チーム長、 ポーランド内務省・行政省神経外科クリニック長)、小野寺玲子氏(Alivexis社・常勤監査役)

日欧共創による医療イノベーション

ポーランド投資・貿易庁副長官のウーカシュ・グビャズドフスキ氏は、今回の会議がポーランドのEU議長国任期における取り組むべき優先事項と深く関わっているとして次のように述べました。
「市民の命と健康の保護は、我々の未来にとって極めて重要です。ポーランドはこのような会議を通じて、国際的な対話と協業を積極的に支援しています」

EU・日本ヘルスケア会議では、EUおよび日本の専門家が、医療・バイオテクノロジー・医療DX分野の研究開発プロジェクトを紹介しました。

また、医薬品の供給体制やサプライチェーンの強靭化も重要なテーマとして取り上げられました

TZF Polfa社代表のマクシミリアン・シフィニャルスキ氏は次のように述べました。
「医薬品の安定供給と重要製品へのアクセスを確保するには、EU・日本間の協業強化が必要です」

イノベーションの架け橋としてのポーランド@Expo2025

このイベントは、ヨーロッパと日本のパートナーが具体的な協力提案を発表する貴重な機会となりました。国際対話の力を示すと同時に、ポーランド東西の架け橋としての役割を果たしていることを再確認する場となりました。

協力・協賛

本会議は以下の機関の協力により開催されました:

  • 駐日ポーランド共和国大使館
  • 日欧産業協力センター
  • 駐日欧州連合代表部
  • 大阪府
  • 国立研究開発法人日本医療研究開発機構

国際対話の場としての2025年大阪・関西万博におけるポーランドの出展

「命を救うために団結を」と題されたこの会議は、医療機器・ヘルスケア関連製品の国際見本市 “Japan Health”の開催に合わせて行われ、日・EU間の医療・技術協力を深めるための重要なプラットフォームとなりました。会議会場は、Japan Health会場に隣接するグランドプリンスホテル大阪ベイでした。

会議終了後、講演者やパネリストは大阪万博を訪れ、大阪ヘルスケアパビリオンとEUパビリオンを見学しました。そして、一日の締めくくりとして、ポーランドパビリオンのレストランをポーランド料理を楽しんだほか、ポーランドパビリオンの展示も合わせて見学いただきました。

Fot.: A. Stykowski / PAIH

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