2025年大阪・関西万博 ── ポーランド食品業界にとっての日本輸出拡大の好機

2025年大阪・関西万博と、それに連動したポーランド・日本貿易フォーラム(大阪)の開催やFoodex Japan出展などのイベントは、日本市場におけるポーランド産食品のプロモーションを力強く後押ししています。日本の輸入業者や消費者の関心を引きつけ、ポーランドの高品質な農林水産・食料品への注目を高めています。
万博へのポーランド共和国の出展は、食品業界における長い伝統と革新的技術をかけ合わせた成果を世界に示す、絶好の機会です。ポーランド産食品は環境に配慮されていて高品質で、日本市場にとって非常に魅力的です。
ポーランドの農林水産・食料品輸出にとって有望な市場、日本
世界第3位の経済大国で、1億2400万人以上の消費者を抱える日本は、ポーランドの食品輸出にとって大きな可能性を秘めた市場です。
ポーランドの日本市場向け輸出の成長
ポーランド政府の貿易ポータル「trade.gov.pl」によると、2024年に日本へ輸出されたポーランドの農林水産・食料品は1億2230万ユーロに達しました。主な輸出カテゴリーは以下の通りです。:
- たばこ・たばこ関連製品(36%)
- 赤身肉および加工品(25%)※冷凍牛肉・可食内臓含む
- 飼料(7%)
- 魚類および魚加工品(4%)
- コーヒー、茶(4%)
- 菓子類、穀物製品、乳製品、果物加工品(各3%)
- フルーツジュース、野菜ジュース、羽毛製品(各2%)
ポーランド産牛肉 ー EU最大の日本向け輸出国
ポーランドの冷凍牛肉は、EUから日本への輸出全体の70%以上を占めるリーダー的存在です。2023年、日本は英国、イスラエルに次ぐポーランド産牛肉の第3位の輸出先であり、その貿易額は2894万ユーロにのぼります。過去5年間の平均と比べ、9.48%増加しています。ポーランド産牛肉は、高い動物福祉基準、優れた品質、そして競争力ある価格で評価されています。
ポーランド産羽毛・ダウンの輸出 ー 日本市場での成功
ポーランド産羽毛・ダウンは、長年にわたり日本市場で高い評価を受けており、布団や枕、冬用衣類に使われています。2022年の日本への輸出額は856万ドル。主にコウダ種のガチョウやポーランド産ペキン種のマガモから採取されています。
2024年7月に、日本でポーランドのすべての地域に対する家きん肉・卵製品の輸入禁止が解除されました。この決定により、ポーランド産家きん肉の輸出機会が拡大しました。ポーランドはEU最大ならびに、世界第3位の家きん肉生産国です


ポーランド産食品の日本輸出を促す戦略的イベント
ポーランドの2025年大阪・関西万博(4月13日〜10月13日)、ポーランド・日本貿易フォーラム(5月20日)、および東京でのFoodex Japan 2025(3月11日〜14日)への参加は、日本へのポーランド産食品の輸出拡大を支援する戦略的な取り組みです。
ポーランド・日本貿易フォーラムと「ポーランドの味覚ゾーン」
ポーランド投資・貿易庁が主催した大阪でのポーランド・日本貿易フォーラムには、ポーランドおよび日本のビジネス界、政府機関、メディアから300名以上が参加しました。フォーラムのプログラムには、パネルディスカッションおよびB2Bミーティングが組み込まれており、農林水産・食品産業を含む6つの主要産業分野に特に焦点が当てられました。また、ポーランド食品のプロモーションの一環として、「ポーランドの味覚ゾーン」が設けられ、日本のパートナーに対してポーランド産の幅広い製品─(肉類、果物、野菜、菓子類、飲料など)が紹介されました。
Foodex Japan2025 – ポーランド企業の出展
2025年3月11日〜14日に東京で開催された、アジアの食品業界で最も重要な展示会のひとつであるFoodex Japanの記念すべき第50回において、「Poland Tastes Good」というスローガンのもと、ポーランド共和国は40社の企業による以下の製品を出展しました。:
- 家きん肉、魚介製品、キャビア、シーフード
- 乳製品、ジュース、フルーツ濃縮物
- コーヒー、リキュール、ウォッカ
- 冷凍果物と野菜
- プレミアム惣菜、スパイス、フムス
- スナック類および高級菓子類
ポーランド共和国の展示ブースは342㎡の広さで、国立農業支援センター(KOWR)によって設営され、多くの来場者の関心を集めました。
「創意の園」── 2025年大阪・関西万博ポーランドパビリオンでの展示
ポーランドパビリオンでは、「創意の園」エリアが、ポーランド産食品PRにおける重要な役割を担っています。このエリアでは、ポーランドの経済・ビジネス・科学の取り組みが紹介されており、自然に根ざした伝統的な解決策から、最新技術や先進的なアルゴリズムを活用した発明まで幅広く展示されています。農林水産・食品産業を含むポーランド経済の6つの主要産業分野における持続可能な未来を形づくる革新的なソリューションに触れることができます。
EU-日本間の農林水産・食品貿易の自由化が果たす役割
2019年に署名された日・EU経済連携協定(EPA) により、農産食品の貿易が自由化され、関税およびその他の貿易障壁が撤廃されました。これにより、ポーランドの生産者は新たな輸出機会を獲得。ポーランド産牛肉が日本市場で強い地位を確立することとなりました。現在では以下のような牛肉以外のポーランド製品への関心も高まっています。
- 鶏肉および卵製品
- 高級菓子および製菓製品
- 冷凍フルーツと野菜、プレミアム惣菜
- アルコールおよびノンアルコール飲料
- オーガニック食品および健康食品
日本市場におけるポーランド食品輸出の新たな展望
Ogasawara Global LLC社のビジネス開発コンサルタントである中林千恵子教授によれば、ポーランドの食品生産者が日本市場で直面している主な課題は、ポーランドブランドの認知度向上、現地のビジネスパートナーとの持続的な関係構築、およびポーランドと日本との物理的距離に起因する物流上の問題です。(ポーランド投資・貿易庁によるウェビナー『あなたのビジネスの日本市場での成長のチャンス ─ 2025年大阪・関西万博:農産食品業界』より)
2025年大阪・関西万博におけるポーランドの経済プログラムが支援する両国間ビジネスの発展は、流通ネットワーク拡大とポーランド産食品の日本への輸出拡大を可能にするでしょう。品質の高さ、日本の消費者からの関心の高まり、有利な貿易条件により、ポーランドは日本における信頼性の高い戦略的パートナーとしての地位を、農林水産・食品業界で確実に強めています。







