2025年大阪・関西万博における「地域ウィーク」―ポーランド経済・文化・観光の発信

2025年大阪・関西万博では、ポーランドの11地域がそれぞれ独自のプロモーション活動として、充実した包括的なプログラムを実施しています。この「地域ウィーク」は、各地域の多様な魅力と経済的なポテンシャルをポーランドパビリオンにおいてご紹介する機会となっています。
各地域は、数日間にわたり、自らの文化遺産、経済力、そして革新的な取り組みをアピールする機会を与えられます。芸術・文化イベントと並行して、ビジネスミッション(経済交流プログラム)も行われています。
2025年大阪・関西万博におけるポーランド各地域 ー ポドラシェ、ウッチ、シロンスク、ルブリン、西ポモージェ
最初に登場したのはポドラシェ地方でした。4月13日から19日までポーランドパビリオンにて開催された「ポドラシェ・ウィーク」では、魅力的なアートパフォーマンス、スポーツイベント、同地域の伝統工芸品の紹介などが行われました。電子音楽と民俗音楽を融合させたポドラシェ出身のアーティストSw@daによるコンサートや、極真空手でヨーロッパチャンピオンに4度輝いたピョートル・サヴィツキ氏による演武も来場者の注目を集めました。
ウッチ地方は、4月27日から5月3日までの「ウッチ・ウィーク」で、地元アパレルブランドによるファッションショー、コンサート、大学による教育的ワークショップなど、多彩なプログラムを披露しました。ファッション、映画芸術、繊維技術といった分野での成果を日本の皆様に紹介したほか、大阪・関西万博におけるウッチ地方のシンボルとして、1970〜80年代にウッチのSe-Ma-Forスタジオで制作された子ども向けアニメ「クマのウシャテック(Miś Uszatek)」が登場しました。
シロンスク地方は、5月4日から10日にかけて「シロンスク・ウィーク」を実施し、万博会場内のフェスティバル・ステーションでポーランド国立民族合唱舞踊団「シロンスク」が色彩豊かで躍動感ある公演を披露。パフォーマンスのフィナーレでは、日本語の感動的な歌も披露されました。また、ポーランド国立民族合唱舞踊団「シロンスク」のメンバーによるポロネーズ(ポーランドの伝統舞踊)のワークショップも行われました。また、カトヴィツェのアテネウム人形劇場は子ども向けの人形劇を披露したほか、ポーランド文化遺産に関するワークショップやアニメーションキャラクターとの交流イベントも開催。カトヴィツェ大学はシロンスク科学フェスティバルのPR活動を行いました






ルブリン地方は5月14日から20日にかけてポーランドパビリオンに登場し、ツーリズムと文化遺産の魅力を中心に紹介しました。ルブリンオペラの児童青少年合唱団やソリストのヤクブ・ゴンスカ、パウリナ・ヤンチャルク、ヴァイオリニストのアンドジェイ・チャプリンスキによる公演、ルブリン地方農村博物館によるワークショップや民芸品作りの実演などが実施されました。また、ルブリン地方の経済的ポテンシャルの紹介にも重点が置かれました。
5月23日から24日の西ポモージェ・デイズでは、サクソフォニストのシルヴェステル・オストロフスキ、ジャズピアニストのクリヤ・マコト、ドリー・リン・ライネス率いるバンドのジャズコンサートが開催されました。さらに、ギタリストのヤクブ・ミゼラツキによるジャズコンサートに加え、アップサイクルの創作ワークショップが開催されました。
これから大阪万博にて紹介される地域 ーポモージェ、ドルヌィ・シロンスク、マウォポルスカ、ヴィエルコポルスカ、ポトカルパチェ
ポモージェ・ウィーク(5月25日〜29日)では、「バルト海の宝石-琥珀からのインスピレーション」と題した琥珀細工ワークショップを毎日開催予定。そのほかにも、「団結の花-ポーランドと日本の紙工芸の融合」と題したカシューブ地方と日本の花飾り作りワークショップの開催も予定しています。
ドルヌィ・シロンスク ウィーク(6月24日〜30日)では、伝統的なスタンプ装飾技法を用いた陶器(ポーリッシュポタリ―)づくりワークショップ、ドゥシニキ・ズドルイの製紙博物館による手すき和紙や折り紙制作体験など、ボレスワヴィエツ陶器をはじめとする伝統工芸の魅力を発信します。
マウォポルスカ・ウィーク(8月10日〜16日)は、ポーランド「山ウィーク」と連動して実施されます。クラクフ・シマノフスキ交響楽団と民族音楽団「ミストコヴィアニエ」によるコンサート、ヴィエリチカ岩塩坑の鉱夫彫刻家による彫刻実演などが行われます。
ヴィエルコポルスカ・ウィーク(9月24日〜30日)は、ポーランドパビリオンで、人気作品『カイコとココシュ(Kajko i Kokosz)』のアニメーション動画で皆様をお出迎えします。その他にも、かご編み、クリスマスオーナメントの装飾、キャンバス絵画などのワークショップ、グニエズノのポーランド建国史博物館による歴史遺産の展示も予定されています。
ポーランド地域の魅力を紹介する「地域ウィーク」の締めくくりは、ポトカルパチェ・ウィーク(10月1日〜3日)です。このために特別に制作されるプロモーション映像の上映や、地元の工芸品、文化、経済、観光に関する多彩な展示が行われる予定です。
2025年大阪・関西万博での地域ウィークを通じて、ポーランドが海外投資家を魅了
2025年大阪・関西万博における「地域ウィーク」は、ポーランドを文化的に豊かで、革新的かつ国際協力に積極的な国として紹介する、またとない機会です。
各地域は、それぞれの伝統と現代性を融合させた独自の方法で、自らの成果や魅力を世界に発信することができます。2025年大阪・関西万博での地域プロモーションは、各国代表者との知見・経験の共有を可能とするだけでなく、ビジネスネットワークの構築や技術力の発信にもつながります。
革新的なソリューションの紹介を通じて、ポーランド企業や研究機関は、新たなビジネスパートナーや外国人投資家とのつながりを着実に広げています。
Fot. A. Stykowski, C. Pęśko / PAIH







