日本・ポーランド間の経済交流を拡大するチャンス：2025年大阪・関西万博

2015年に「自由、成長及び連帯への戦略的パートナーシップ構築」と題した共同声明の中で、日本国とポーランド共和国は、二国間関係を戦略的パートナーシップに格上げしました。このパートナーシップには、安全保障、科学技術、経済など多岐にわたる分野での協力が盛り込まれています。

戦略的パートナーシップによる貿易拡大への効果

ポーランドが大阪・関西万博への出展を通じて祝う戦略的パートナーシップ締結10周年は、両国間の貿易拡大にも結びついています。ポーランド開発・技術省が発表した中央統計局のデータによると、2022年の両国間の貿易額は史上最高額となる約65億米ドルを記録しました。そのうちポーランドから日本への輸出額は約8億3200万米ドル、日本からの輸入額は56億米ドルでした。

両国の協力可能性はさらなる可能性を秘めています。特に、2025年1月1日に発効した日EU戦略的パートナーシップ協定（SPA）によって、さらなる協力促進が期待されています。

日本は米国、中国に次ぐ世界第3位のGDPを持つ経済大国であり、長年にわたりイノベーションや特許の分野で世界を牽引しています。急速に発展するポーランドとの協力関係の深化は、両国にとって具体的なメリットをもたらします。実際に、現在ポーランドには365社を超える日本企業が進出しており、そのうち113社が自動車・電動モビリティ、電気機械、医薬品、食品、ビジネスサービスやITなどの分野で事業を展開し、約5万3千人の雇用を生み出しています。

また、2019年2月1日に発効した日EU経済連携協定（日EU・EPA）や日・ポーランド戦略的パートナーシップ協定により、ポーランド企業の日本市場への進出可能性は大幅に拡大しています。特に食品分野では高品質で競争力のある価格を背景に積極的な進出を見せており、ポーランドはEU諸国の中で日本市場への冷凍牛肉輸出量の70%以上を占める、最大の輸出国となっています。さらにIT、フィンテック、ゲーム業界の企業も日本進出で成功を収めています。

2025年大阪・関西万博におけるポーランド経済交流プログラム

ポーランドは2025年大阪・関西万博に向けて策定された経済交流プログラムの中で、日本との協力が特に期待される6つの主要分野ー医療・医薬品産業、化粧品産業、IT・フィンテック産業、グリーンエネルギー（水素技術等）産業、農林水産・食品（アグリテック等）産業、ゲーム産業ーに焦点を当てています。このため、万博会場のポーランドパビリオンには、「創意の園」と呼ばれるゾーンが設置され、日本市場における重要な産業分野で持続可能な未来を形作るポーランドの革新的な取り組みが紹介されます。ポーランドパビリオンは、ポーランド経済、ビジネス、科学を魅力的に伝える拠点となります。

大阪・関西万博開催にあわせ、ポーランド企業が日本市場に進出するための業界別見本市ーENEX 2025（1月29日～30日）、Smart Energy Week Tokyo中のH2&FC Expo（2月19日～21日）、Foodex Japan（3月11日～14日）、Medtec Japan（4月9日～11日）、Japan IT Week Spring（4月23日～25日）、Beautyworld Japan（4月28日～30日）、TOKYO GAME SHOW（9月26日～29日）、Japan Health Osaka（6月25日～27日）、Cosme Week Osaka（9月24日～26日）にナショナルブースを出展します。これらの出展の企画・運営は、ポーランド投資・貿易庁、ポーランド産業開発庁、ポーランド農業支援センターが担当します。

また、ポーランド企業の代表者らは2025年5月20日にヒルトン大阪で開催される日本・ポーランド輸出フォーラムに参加するほか、同年9月30日には日本・ポーランド投資フォーラムへの参加も予定されています。これらのイベントは両国の経済協力をさらに拡大・発展させるための貴重な機会となるでしょう。