大阪・関西万博 ポーランドパビリオン ― 終わることのない物語

ポーランドパビリオン「ポーランド。未来を切り拓く遺産」の展示は、日々新たに咲き誇ります。変化し、訪れる人々のリズムで呼吸する生きた展示なのです。
「大阪のポーランド」が誕生してから2ヶ月、私たちは記憶に残る形で我々の物語が語られていることを確信しています。そして今も、来場者一人ひとりのまなざしや、響き渡る音とともに、物語は書き続けられています。
ここポーランドパビリオンは、支配的な空間ではなく人々を暖かく招き入れる空間です。押し付けるのではなく、そっと心を開かせてくれる、そんな場所です。ほんの一瞬の間だけでも「今、ここ」に意識を向け、没入することができる場所。自然とともに「見る」「聴く」「呼吸する」ことを学ばせてくれる展示が用意されています。
これまでに、地域ウィークやアーティストとの出会いの場、さらには未来をかたちづくるアイデアについての対話の場が設けられてきました。展示は引き続き、感情やしぐさ、音を日々吸収しています。その共鳴は日に日に増幅し、語りの空間のみならず、記憶の空間となっています。ポーランドパビリオンの展示は、コンサート、対話、出会い、そして完全な静寂の瞬間といった、 この場所で起こるすべての出来事の目撃者なのです。加えて、展示は目に見えないものまでも受け止めてくれます。
それを可能にしているのが、分野横断的なクリエイティブチームによって創り上げられ綿密に設計された、多層的な展示コンセプトです。彼らが設計した空間には、インタラクティブなアートインスタレーションが組み込まれており、最新技術を駆使しながら、ポーランドのアイデンティティの中でもっとも普遍的で心を動かす特性、すなわち「創造性の遺伝子」を引き出しています。この創造性こそが、自然とテクノロジー、伝統と革新、科学と気持ちを結びつけているのです。
ポーランドパビリオンの展示は、観客をただの「観察者」として扱うことはありません。むしろ、来場者自身が共に展示を「創り出す」存在なのです。とりわけ、来場者の多くを占める日本の方々が、展示の原動力となっています。日本人来場者の繊細さ、深い感受性、そして芸術の受け取り方が、この空間に新たなリズムを与えてくれているのです。それは、大阪・関西万博の開催国である、日本の微細なものや名もなきものに意味を見出しじっくりと見つめ、耳を傾ける文化への敬意の表れでもあります。
この物語のコンセプトを生み出したのは、モニカ・ブランチ(KAFTI)、エヴァ・キエルクロ、スタニスワフ・ケンパ(Studio GDYBY)、ヴィエスワフ・バルトコフスキのチームです。彼らの仕事のおかげで、「体験」と「参加」に根ざしたナラティブ・デザインの可能性が最大限に引き出されました。
キュレーターらの共通の願いは、「ポーランドについて直接語る」のではなく、「ポーランドを感じる」展示を創ることでした。
そして、それは確かに実現されたのです。
ポーランドパビリオンでは、このような物語と体験に、2025年10月13日まで毎日皆さまのご来場をお待ちしております。








