ポーランド・ジャズ:ショパンからエレクトロニカまで ― 大阪万博でのコンサートの饗宴

14組のアーティスト、50人以上のポーランド人ミュージシャン、そして約2週間にわたる世界的スターと若き才能によるコンサート。2025年大阪・関西万博でポーランドは、ジャズという言語で自国について語ります。
14組のアーティスト、50人以上のポーランド人ミュージシャン、そして約2週間にわたる世界的スターと若き才能によるコンサート。2025年大阪・関西万博でポーランドは、ジャズという言語で自国について語ります。
大阪万博で、優れたポーランドのミュージシャンによる大規模なイベントが、ジャズファンをお待ちしています。
8月30日・31日のショパン・ウィークには、偉大な作曲家フリデリク・ショパンの作品を再解釈した4つのジャズコンサートが開催されます。
さらに9月4日~10日には大阪のクラブやポーランドパビリオンで、続いて9月11日~13日には東京で、若い世代のポーランド・ジャズシーンが「Jazz from Poland in Japan 2025」の看板のもと紹介されます。
ポーランドジャズは長年、日本において「自由・エモーション・高度な演奏技術の音楽」として注目されてきました。高い音楽的感性を持つ人が多い日本は、ポーランドのジャズアーティストにとって、対話と新しい響きを受け入れてくれる良きパートナーです。
今回の2025年大阪・関西万博における文化プログラムが、ヴィスワ川が流れる国ポーランドのモダンジャズを日の出る国日本に届ける絶好の機会となります。
ショパン・ウィークでの4つのジャズコンサート
フリデリク・ショパン国立研究所は大阪で、ポーランド出身アーティストによる演奏会を開催します。レパートリーは、ショパン作品のジャズ解釈です。コンサートは、フリデリク・ショパンウィークの一環として8月30日と31日に実施されます。
LIS + Phew:大阪市街地でのポーランド・日本による合同の電子音楽プロジェクト
トリオ「LIS」を率いるピアニストのヤン・スモチンスキは、音楽ジャンルを問わず高く評価されているポーランド音楽界を代表するプロデューサーの1人です。サックス奏者ウカシュ・ポプラフスキ、ドラマーのミハウ・ミシキェヴィチと共に、革新的かつ実験的・ミニマルな電子サウンドを展開します。
今回、フリデリク・ショパンの作品を素材に、日本のポストパンク出身のヴォーカリストPhewとポーランドのトリオ「LIS」がコラボレーションを行います。現在は実験音楽・アヴァンギャルド分野で活動するPhewと共に、新たな音楽対話が実現します。
LIS + Phewは8月30日20時より、大阪のSPACE14で公演予定です。
ポーランドを代表するジャズバンドがショパンを奏でる
フリデリク・ショパンの作品をジャズで、それぞれ独自の解釈で演奏するのは、下記の著名なポーランドのジャズバンドです。その中には、世界的スターも含まれます。
- Artur Dutkiewicz Trio : 現代ジャズのエネルギーを、フリデリク・ショパンの精神やポーランド民俗舞踊のリズムと融合させる(8月30日 18:00~)
- RGG Trio – ポーランドジャズのレジェンドであるトマシュ・スタニスワフスキのラストライブメンバーによるトリオ。「Soundscapes of Chopin」と題し、クラシックをアンビエントや即興と結びつけたプログラムを披露(8月31日 17:00~)
- Andrzej Jagodziński Trio – 世界的評価を得るトリオ。リーダーのほか、コントラバスの名手アダム・ツェゲルスキと伝説のドラマー、Małyことチェスワフバルトコフスキとともに、バッハとフリデリク・ショパンをジャズのリズムで名人芸的に解釈(8月31日 19:00~)
これら3つのコンサートはいずれも大阪のSPACE14で開催されます。
Jazz from Poland in Japan 2025
Jazz from Poland in Japan 2025によるコンサートは、ポーランドが2025年大阪・関西万博で開催する「文化ウィーク」の一環として実施されるプロジェクトです。ポーランド・ジャズシーンが、前例のない規模感で紹介されます。7日間にわたり、25人のアーティストによる10のプロジェクトが30回以上のコンサートで披露されます。
パフォーマンスは、大阪の名門クラブである、Blue Note Tokyo系列のBlue Yard、SPACE14、そしてUmeda Club Quattroの3か所で行われます。とりわけ特筆すべきは、若手世代を代表する卓越したピアニスト兼作曲家であるニコラ・コウォジェイチクが、この機会のために特別に作曲した「ジャズ組曲」の初演です。これには、日本に招聘された全てのミュージシャンが参加します。さらに、ポーランドパビリオンでは7日間にわたり、ソロ、デュオ、トリオによるユニークな30分間のコンサートリサイタルが毎日開催されます。
大阪でのメインプログラム終了後は、ポーランド広報文化センターの支援により、東京でも9月11日から13日にかけて複数のライブが行われます。
Blue Yardでのパフォーマンススケジュール:
9月4日 19時00分
- Sub Silento – 即興と室内楽的ジャズの境界を行き来するデュオ。親密な音のスペースと、集中・感情を創出する
- Babooshki – ポーランドとウクライナ出身の2人の歌手による、民謡メロディーの二言語でのジャズ解釈
9月5日 19時00分
- Aga Derlak Trio – 才能あるピアニストで、ポーランドの音楽賞「フリデリク」を3度受賞。ラテンアメリカのフォークロアやクラシック音楽にインスパイアされたジャズを、情熱的に演奏
- Dominik Wania – ポーランドを代表するジャズピアニスト。トマシュ・スタニスワフスキ、マーカス・ミラー、レシェク・モジジェルらとも共演。クラシックやポピュラー音楽の要素を取り入れ、田園的な美しさと自由で妥協のない即興演奏を融合
9月6日 19時30分
- Maciej Obara Quartet –アルトサックス奏者マチェイ・オバラ率いるカルテット。リリシズムと爆発力の間を揺れ動くサウンドで知られる。自身の作曲作品だけでなく、ヘンリク・ミコワイ・グレツキの楽曲をジャズ解釈することでも有名
ライブ「ジャズ組曲」@SPACE14
9月7日 15時00分
- Nikola Kołodziejczyk – ピアニスト、作曲家、指揮者。大阪万博のために特別に作曲したジャズ組曲を発表。来日中の全てのミュージシャンが参加する特別編成
Umeda Club Quattroでのパフォーマンススケジュール:
9月9日 19時00分
- Tomasz Hiwa Quintet – アヴァンギャルドジャズ、ヒップホップ、アフロビート、ゴスペル、エレクトロニカ、クラシック、そしてエネルギッシュなロックを融合させる
- EABSことElectro-Acoustic Beat Sessions – ヴロツワフ出身のクインテット。ヒップホップにインスパイアされた迫力あるジャズを演奏
9月10日19時00分
- Paulina Przybysz – ポーランドで高く評価されるシンガーソングライター。近年は、自身が愛するジャズスタンダードを現代的なアレンジで歌う
- Hoshii – サックス奏者・プロデューサーのクバ・ヴィエツカによる最新プロジェクト。現代ジャズとヒップホップのビート、オルタナティブ音楽を融合
Jazz from Poland in Japan 2025の東京公演スケジュール
- 月11日 Brooklyn Parlor:EABS クインテット(20:00 / 21:00)
- 9月12日 晴れたら空に豆まいて:サックス奏者のクバ・ヴィエンツカを迎えたHoshiiクインテット(19:30)
- 9月13日 Cafe Dining & Bar 104.5:Paulina Przybysz(ヴォーカル)+Grzegorz Tarwid(ピアノ)デュオ(19:00 / 20:00)
ポーランドジャズ、日本の観客の心をつかむ
大阪と東京の聴衆は、ポーランド即興音楽の全スペクトルを体験することになります。一流ピアニスト、ヨーロッパ主要フェスの常連トップアーティスト、ポーランド・ジャズシーンを革新したバンド、そしてスラヴのルーツと現代的ネオソウルやヒップホップを融合させた歌声に出会えるでしょう。
「コメダ、スタンコ、ナミスウォフスキ、トゥシャスコフスキ ― これらの名前は、日本の音楽ファンにはよく知られています。今回の万博プロジェクトは、芸術的独立性と創造的深みの象徴とされる現代ポーランドジャズを紹介する特別な機会です。」と、日本におけるポーランド文化プロモーター、プロジェクト・コーディネーターであるマルタ・カルシ=芦田氏は語ります。
日本の聴衆にとって、このイベントは創造的で発展を続けるポーランド・ジャズを一度に体験できる稀有なチャンスです。ニコラ・コウォジェイチクによる特別な組曲の全員演奏に加えて、小編成のコンサートや即興コラボレーションもあります。私たちは万博で、現代ジャズにおける『私たち自身の本来の姿』を示したいのです。それは驚きと感動を呼び起こす『本物の表現』です。」とピアニストのアガ・デルラクは強調します。
Jazz from Poland in Japan 2025のライブは、新しい才能ある世代がポーランド・ジャズの伝統と大胆なチャレンジ精神、現代的な響きを融合させた姿を披露する舞台です。そして、ポーランドと日本という二つの文化が出会い、互いを響かせ合うジャズの冒険を体験する絶好のチャンスとなるでしょう。









