ポーランドパビリオンの「親切の日」大阪・関西万博でEU議長国ポーランドの締めくくりを祝う

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2025年大阪・関西万博会場内最大規模のコンサート会場、EXPO アリーナ「Matsuri」は、数千人の観客で埋め尽くされ、出演したアーティストたちに惜しみない拍手が送られました! コンサート終演後、日本の観客の皆さんが笑顔で「魔法のような公演をありがとう。」と感謝を伝える様子は、2025年大阪・関西万博の歴史に残る光景となりました。

ポーランドのEU議長国任期の華麗なるフィナーレ『Symbiosis Symphony』

ポーランドパビリオンは、EU議会における6か月間のポーランド議長国の締めくくりとして、ポーランド「親切の日」を、万博の会場で華やかに開催しました。メインを飾ったのは、作曲家兼プロデューサーであるウカシュ・L.U.C.・ロストコフスキ氏の指揮による、クラシック、エレクトロニカ、そしてフォークを融合させた圧巻のコンサートでした。EXPO アリーナ「Matsuri」のステージは、まるで絵画のようなマルチメディア空間へと姿を変え、ヨーロッパの歴史を旅する芸術体験を創出しました。

世界初演作品の『Symbiosis Symphony』 ― ポーランドが大阪万博でインスピレーションを届ける

斬新な交響詩『Symbiosis Symphony』は、ポーランドのEU議長国任期終了を記念し、2025年大阪・関西万博の公式カルチャープログラムの一環として制作されました。今回が、世界初演となりました。

企画・演出を手がけたのは、多数の受賞歴を持つロストコフスキ氏。レベル・バベル・オーケストラ、アマービレフィルハーモニー管弦楽団、Catz’n Dogzが出演しました。さらに、映像演出は伝説的なアニメスタジオBreakthru Filmsが担当し、息を呑むような絵画作品の映像でステージを彩りました。

古代の太鼓や笛のリズム、中世のヒルデガルト・フォン・ビンゲンの聖歌、バッハやヴィヴァルディのバロック音楽、そしてベルリン発のテクノビート――『Symbiosis Symphony』は、ヨーロッパの多様性美を、現代的かつ感動的、そしてビジョナリーな方法で描き出しました。

子どもと若者のウェルビーイングに関するカンファレンス ― ポーランドからの協力なメッセージ

コンサートにあわせて開催された関連イベントとして、子どもと若者のメンタルヘルス、社会的連帯、ヨーロッパ文化をテーマにしたカンファレンスが行われました。国内外の専門家による議論から、若年層の幸福に関する重要なメッセージが発信されました。

開会の辞を述べたのは、ポーランド投資・貿易庁副長官のマグダレナ・スカルジンスカ氏。若年層の自殺という深刻な社会問題に言及し、次の通り語りました。

「他人を責めるのはやめて、私たち大人自身の行動を見つめ直さなければなりません。家庭、医療、学校など、あらゆる場面で私たちは多くの失敗をしています。キャリアや報酬、上司の期待に応えることばかりに気を取られ、子どもの人生においてどれだけ多くの瞬間を見逃しているか、どれだけ多くのサインに気づいていないか――今こそ、耳を傾け、目を向け、行動を起こすべきです。」

専門家たちは、子どもの心理的ウェルビーイング、ヤヌシュ・コルチャック氏の思想に基づいた情緒教育、自然のアルゴリズムに着想を得た革新的な教育手法、デザインが治療環境において果たす役割、さらには医療従事者の燃え尽き症候群についても議論しました。

ユレック・オフシャク氏が大阪万博の舞台に登場 ― 連帯・共感・社会の力を語る

特別ゲストとして、ポーランド最大のチャリティ組織である「クリスマス慈善大楽団(Wielka Orkiestra Świątecznej Pomocy)」の創設者であり会長のイェジ・オフシャク氏が登場。特有の情熱的な口調で、社会的連帯の重要性について次のように述べました。

「33年間の活動で、私たちは78,500台の医療機器を購入し、総額で約7億ドルを医療機関に寄付してきました。この偉業は、他者への善意とポーランド人の実行力があってこそ実現したのです。」

ポーランドのEU議長国退任のセレモニー ― 若者の力と象徴的なエネルギー

カンファレンス後には、ポーランドパビリオン前で、EU理事会におけるポーランドの議長国任期の公式閉幕式が執り行われました。国立音楽フォーラムの合唱団による『歓喜の歌』で幕を開け、ポーランド共和国下院副議長ドロタ・ニェジェラ氏らが登壇。

その後、パビリオン周辺に集まった日本人の聴衆とともに、「ここが私の場所だ(To jest mój kawałek ziemi)」という、ポーランドロックフェスティバルでの象徴的な誓いのフレーズをコールしました。パビリオンスタッフとして働くポーランド人学生らによるダンスパフォーマンスで、セレモニーは幕を閉じました。セレモニーを通して、喜び、ポジティブな気持ち、そして共同体の力強いメッセージが発信されました。

ヴロツワフの小人たちが万博に登場 ― 小さな親切の象徴

ドルヌィ・シロンスク ウィークの期間中、ポーランドパビリオンにはヴロツワフ名物の「小人(krasnale)」たちが設置されました。とくに、ひまわりを手にした「ジチリヴェク(意味:親切の人」は、ポーランドのEU議長国記念日のシンボルとして来館者を迎えました。来場者は、小人の像を実際に鑑賞するだけでなく、ヴロツワフの文化的アイデンティティを形づくってきた、小人を街中に設置する文化についても学ぶことができました。

親切の日 ― 「共通善」のために共に

ポーランド「親切の日」における主なパートナーは以下の通りです

  • クリスマス慈善大楽団
  • チェプチンスキ財団
  • グダニスク医科大学Gdański Uniwersytet Medyczny
  • ドルヌィ・シロンスク県

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