パビリオンの基本設計
いのちを救う
ポーランドは2025年大阪・関西万博会場のサブテーマ別に設けられた「いのちを救う」ゾーンで、総床面積1000平方メートル近くの国別パビリオンを出展します。
創造の波
木組み工法で建てられるパビリオンの外壁は組み木で覆われポーランド人の創造力と革新の精神を打ち寄せる波のよう表現します。
伝統に根差して
ポーランドの伝統木造建築に根差した独特の外壁は、日本の木組み工法にも通じます。
建築家
基本設計は、Interplay Architects事務所のアリツィア・クビツカさんとボルハ・マルティネスさんが立案されました。
遺産と創造力、そして人口知能
各分野の専門家の総力を結集したポーランドパビリオンの空間芸術(インスタレーション)は、ポーランド人が受け継いできた創造の遺伝子を、来館者に触れ合いを通して五感で伝えます。ここでは自然、伝統、科学技術が織りなすこの不思議な空間を、来館者は体感するだけでなく共創することになります。
館内展示
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心の草模様
自身の想いを植物として映し出せる本展示は、来館者を薬草の世界へ誘います。 来館者が展示を前にさまざまな選択をすると、それに対応する媒介変数をアルゴリズムが処理し、その人だけの心の草模様として半透明のスクリーンに映し出します。この華やかな映像も周りと一体となって、かつて薬草も重用された儀式や信仰を彷彿とさせる儚く幻想的な空間を演出します。 空間を共創した来館者たちはその記念として、自身の心を表現した草模様を、携帯電話でダウンロードしたりSNSで共有したりできます。
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七草
ポーランドの絵画表現の伝統にも根差しつつ、ポーランドで愛用されてきたハーブをアニメーションで紹介します。ポーランドと日本では、古来より早春に貴重な栄養源として、種類こそ異なるものの、七草が食されてきました。両国共通の伝統である七草粥に着想を得て紹介される薬草や香草などには、魔力が宿ると信じられてきました。その信仰も一部は科学的に証明され、徐々にその作用が解明されています。
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収穫前
本展示は、生物学の知見をもとに、かつてない芸術手法を用いて、ポーランドの自然の移ろいを象徴的に表現します。ポーランドで育つ植物のつかの間の変容を、樹脂の玉に閉じ込めます。慌ただしい日常の中で忘れられるような小さな変化を捉えたこの透明な球は、はかない生命もたゆまず活動していることを教えてくれます。展示内容はSNSで共有でき、バイラル効果で広がっていきます。
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ポーランド名景
人工知能を駆使した本展示は、ポーランドの風景をパノラマ画面に生成し、その本質と多様性を来館者に伝えます。 これらの風景は、来館者の画面前での動きに応じてゆっくりと変化さらには変容していきます。一人ひとり、あるいは集団の動きをまるで詩のように捉えて風景が生成されるのです。 ポーランド各地で撮影された写真数千枚で「訓練」を受けたAIは、ポーランドの風景の本質を表現した架空の景観を生成します。
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音と光の感触
没入体感型の本展示は、医療で用いられる吸入器(ネブライザー)に着想を得て企画されました。その空間は昔ながらの木造流下式製塩設備(グラディアヴェルク)を模して構成されており、地域社会の健康と福祉の増進を意図しています。音と光の世界に浸る来館者を、内省と瞑想に導き、安らぎの中で精神を整えます。
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オーラ
素朴な素材から伝統工芸で作られた不思議な楽器が、情報技術を駆使し、著名な作曲家、即興その他の演奏家の手を介し、民俗音楽や自然の音に着想を得たフリデリク・ショパンの名曲の神髄を奏でます。 この楽器「オーラ」では、百以上の独立したモジュールが、デジタル制御されながらオーケストラのように一体となって、自然の素材から音を奏でます。個々のモジュールは、ショパンの生家付近で育ち、彼を象徴する柳の欠片から作られています。来館者は、自らの体の動きを人工知能でオーラの動きに反映させることで、協奏に参加できます。
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世代を繋ぐ
半年にわたる万博でポーランドパビリオンを訪れる人々への感謝の印として、その一人一人から生成される心の草模様を繋ぎ合わせることで、伝統と未来のつながりを表現し、みんなの作品として一つにまとめます。そして、先端技術を駆使するポーランド人の創造力を披露します。
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吟遊
俳句の表現形式に倣い、パビリオンの展示内容についてポーランドの若き詩人たちが小さな札に想いをしたためました。パビリオンに散りばめられた彼らの詩を通して、展示と対話ができるようになっています。コンサートホールの入口では、詩を印刷した紙札が壁一面を覆っています。来館者はよりよい社会を共に築くためのヒントにすべく、これらを自由に持って帰ることができます。
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音の憩い場
パビリオンの手前には、ワルシャワのワジェンキ公園で催されている野外コンサートを彷彿とさせる「音の憩い場」が設けられ、日本人とポーランド人のピアニストによる演奏を無線イヤホンで聴きながら、偉大なフリデリク・ショパンの名曲に浸ることができます。 この憩い場は、ポーランド国立フリデリク・ショパン研究所との協力により設置されます。
展示企画者の紹介
展示企画は、KAFTIデザイン事務所のモニカ・ブラウンチュさん、GDYBYグループのエヴァ・キェルクロさんとスタニスワフ・ケンパさん、そしてヴィエスワフ・バルトコフスキさんが共同して担当されます。